親の偉大さに気づくのはいつ？｜幕張本郷・幕張西・習志野地区の個別指導なら学習塾本塾

2023/10/13

塾長ブログ

幕張本郷・幕張西・習志野地区の個別指導、学習塾本塾ミズシマです。

やっと秋らしくなって参りましたが、むしろ寒くなって体調を壊す人が増えているようです。皆様、体調には気を付けてくださいね。

今の時期、中学3年生には、10月のV模擬の結果が返却されています。返却される時には生徒それぞれの分析も併せて行うので、塾長から講師、生徒へ、講師から生徒へフィードバックがあり、振り返りを行います。
集団指導塾では、定期テストや模試は返却されるだけで振り返りはほとんどないですし、あっても全体に解説されるくらいです。個別に試験を振り返ってもらえるのが、個別指導のなせる技です。

夏休みの成果を出し、志望校に向けて着実に歩みを進めている生徒もいる中で、前回、志望校B判定からE判定へと急降下した生徒がいました。
生徒は「お母さんに怒られる」と自習室でうな垂れています。

できなかったことを次に活かせるかが「自考学習」

彼には、なぜできなかったのか振り返ってもらいました。なぜなら、自己分析できるようになって欲しいから。
これが、本塾の掲げる自考学習の一環です。
「ミスが多かったから」と彼は言いました。
「どんなミスをしたの？」「なんでミスをしたの？」
と問いかけます。しかし、「わかりません」という答えが返ってきました。

最近の子供達は、物事を深掘りしません。逆に物事を深掘りする子供は勉強ができる傾向があります。
親でさえも、「どうせ勉強しなかったんでしょ？」「ミスばっかりしてしっかりしなさいよ」で終わってしまいます。
悲しいことに学校の先生や塾でもこのようなフィードバックをされたという話をよく聞きます。このフィードバックは親が感情を吐き出し、子どもが悲しむだけで、結果が繰り返させることが多いです。なぜなら、具体的な分析も解決策もないからです。

「勉強しなかったから」「ミスが多かったから」で終わらせてしまう人達ばかりでは、勉強も仕事もできる人材にはなりません。
だからこそ、成績が下がった時は、自己分析能力を上げるチャンスです。

「じゃあ、分析結果を教えてあげるね。」私は彼の模試の分析結果を伝えました。

「まず、国語は、最後の作文が終わらなくて成績を落としたね。これは時間配分のミス。漢字や古典は良くなったね。数学は、確率、関数が苦手と前々からわかっていて防げなかった。時間がある時に規則性に取り組むように言ったのにやらなかったね。そして大問で規則性が出ちゃった。でも、夏に頑張った計算と一行題はミスなくできたね。

英語は、細かいスペルを覚えきれていないと言われていたのに、英単語を覚えるのをさぼっていたよね。文法のミスも中1レベルのミスがまだうっかりで出てしまっている。

理科は、計算問題が弱点だって改めてわかった。そして、記述問題で主語が足りないって言われていたのに、重く受け止めなかったから、答えをわかっていたのに記述問題が壊滅した。

社会は、実際に合っていた問題だけど、簡単な漢字もひらがなで書いている。漢字指定もありえるから漢字で日頃から書きなさいってずっと言われているよね。公民範囲が苦手なのはこれからだから仕方ない、気を付けていこう。」

と分析は続きましたが、今回の模試の成績の下がった理由は、「日頃から言われていた先生からの指摘を軽く扱っていたツケが膿のようにオンパレードで噴出したから」です。

フォローしますが、彼は頻繁に自習室に来て勉強している真面目な生徒です。夏休みも夏期講習を頑張っていました。

だからこそ、まさか成績が落ちるとは思っていなかったのでしょう。

甘い！MAXコーヒー並みに甘いわ！！

保護者様の気持ちを無駄にしない

私も2人の娘を育てている身です。このV模擬の結果を見てどう思うかは想像に難くありません。

「お母さんに怒られる」という生徒の予言は現実に起こるのです。

そして、「なんでこんな成績なの？」という問いに彼は答える術を持ちません。

ならば、お母様のその問いに答えるのは、私が一番適していますし、生徒にとっても生産性があります。

「家で怒られるのが確実なら塾で怒られな。付き合ってあげるから」

急遽、保護者様にご連絡し、3者面談を実施しました。

今回のV模擬の成績の概要をお伝えし、お時間があれば直接ご説明したい旨を伝えた所、当日にもかかわらずお時間を取っていただきました。ありがたい限りです。

可能性があるならそれを伝えるのみ

お母様には彼に伝えた分析結果を改めてお伝えしました。彼が努力をしていたこと、勉強ができるようになってきていることは前提として、それを点数にすることを甘く見ている気持ちが変わり、わかっている弱点に真摯に向き合って勉強ができるのであれば、志望校を諦める必要はありません。実際に今の目標点数とのギャップを埋められた生徒は多くいますが、全員本気で頑張ったからこそ到達できた結果ですと伝えました。

「調子がわるかったみたいですね、次は頑張りましょう。」

「こんなに成績が悪いなら志望校を下げましょう。」

こう言うのは簡単です。しかし、彼が行きたい学校があり、そこに受かる可能性があるならば、伝えないのはフェアではありません。

しかし、最大限サポートしても行けるかどうかは彼次第、それを認めるかはご家族次第です。

保護者様の理解が大事

私は、教育に従事していて「絶対」とか「保証」とかは大嫌いです。

わがままが許されるなら、「うちの子どもを絶対受からせられますか」という保護者様はお断りしたいですし、自分の子どもを「絶対受からせます」という塾には絶対入れません。

なぜなら、勉強するのも、試験を受けるのも生徒ですし、日々をサポートしているのも、今まで育ててきたのも保護者様だからです。

塾はそれを最大限に引き出し、伴走して目標に向かうだけです。生徒が頑張ったからこそ合格しますし、頑張れる子どもに育てた、そして育てているのは保護者様だからです。頑張れない子どもを塾だけのせいにするのであれば、保護者様も頑張っていただけないでしょうから、どちらにしても上手くいかないでしょう。

本人が頑張りたいなら応援したい

ほとんどの保護者様がそうですし、彼のお母様も「本人が頑張りたいなら応援したい」と思っています。

学校のワークチェックや入試対策教材の進捗確認、英単語や漢字などのチェックテストなど、授業だけでなく、学習塾本塾ではさまざまなサポートを行っています。

しかし、今回のV模擬の成績から、成績を上げるために必要なことは、一言で言うならば「塾や親に言われたことを真摯に受け止める」という姿勢です。

それを痛感させるために、今回は彼が入試に向けて失敗させるチャンスであったと思います。

今まで変われなかった彼が、志望校に向けて変われるか、ここで変わることができれば、春に合格体験談でお目見えすることになるでしょう。

改めて保護者様のご理解に感謝

他の塾長の方々と話していると、「模試の結果が落ちて退塾されてしまった。」「生徒が親子喧嘩して定期テストを白紙で出したら、塾のせいにされて退塾した。」なんて話を聞きます。

世の中は結果が全てである側面はあります。しかし、最終目標に向かう中で、失敗を恐れては先に進めませんし、教育は歪むと思っています。

結果を出し続けることを強要すると、教育は付け焼刃に終始し、子どもはカンニングに走る可能性を否定できないのです。

かといって、「こんな塾に任せられないから辞めさせます」というご家族の判断は止めることはできません。そう判断されない保護者様のご理解に感謝するばかりです。

彼の保護者様だけでなく、学習塾本塾の保護者様たちは本当に子どもの現状と塾の指導にご理解いただけていると痛感します。この場を借りて感謝申し上げます。

彼のお母様からは、「先生や親の時間はただではないんだよ、わざわざ時間を取ってもらって、それを価値のあるものにしないといけないよ。」「本塾には他の塾では絶対ないくらい色々としていただいていますから、あとは本人次第です。本当に志望校に行きたいのかここで聞きたいです。」と言っていただき、彼は「それでも志望校に行きたい」と言って面談は終わりました。