【学校の先生へ】定期テストの問題を使い回さないで｜幕張本郷・幕張西・習志野地区の個別指導なら学習塾本塾

2025/10/09

塾長ブログ

幕張本郷・幕張西・習志野地区の個別指導及びプログラミング教室、学習塾本塾ミズシマです。

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休校期間中なので、今後に向けて色々と思慮を巡らせていますが、その中で、こんな記事を見つけました。

私立高校奨学金の可否に「業者テストの偏差値使わないで」埼玉県通知（朝日新聞）

以下記事の引用

県内では、私立高校が生徒側との面談などで、中学3年生の9割が受ける「北辰（ほくしん）テスト」の偏差値を元に、合格を「確約」してきた慣行がある。通知は県学事課長名の要請という位置づけだが、県が、業者テストの偏差値で事実上、合否や奨学金の可否を決めることを問題視していることを改めて示しており、埼玉独特の慣行が見直される可能性もある。

　県の通知は、民間業者テストを入学者選抜に使わないよう求める1993年の文部科学省通知を引用した。県が文科省に確認したところ、93年通知は、特待生の判定にもあてはまることが分かったという。

　県は毎年10月下旬ごろ、文科省と同趣旨の通知を出してきたが、私立高校側は、あくまで個別の入試を元に合否を判断しており、「確約はしていない」と説明してきた。今年の通知で県は、特待生の判定や成績の持参に触れる「補足」を記入した。「入学時の特待生等（奨学金の給付等）の取り扱い」について、「その判定に業者テストの偏差値等を用いること」や、「業者テストの結果を説明会や個別相談会などに持参するよう求めること」は、「通知の趣旨に反しており、速やかな改善が必要」と明記した。その上で、業者テストの取り扱いに注意してほしいとし、「誤解を招くような助言や説明等はしないよう」求め、「入学者選抜等の公正・公平な実施」を要請した。

　阿部俊子文科相は9月30日の閣議後会見で、「一般論として、高校の入学選抜は公教育としてふさわしい適切な資料に基づいて行われるべきもので、業者テストの結果を用いた入学者選抜が行われることは、あってはならない」と述べた。奨学金問題についても、「埼玉県による事実関係を確認しているところ。状況を注視したい」としていた。

教育業界にいると、埼玉県の入試制度が変わっていると昔から話題です。高校受験では、「北辰（ほくしん）テスト」が重要だ！と埼玉の塾の方は口をそろえて言っていました。

なんでこんな不思議な制度が昔から続いているのかわかりませんね。

誰か知っていたら教えてください。

その中で気になったのは、阿部俊子文科相の、「一般論として、高校の入学選抜は公教育としてふさわしい適切な資料に基づいて行われるべきもので、業者テストの結果を用いた入学者選抜が行われることは、あってはならない」という部分です。

定期テストって公教育としてふさわしい適切な資料なの？

そこで思ったのが、定期テストって適切なの？ということ。

千葉県の県立入試では、１年～３年の内申点合計（135点）＋入試の得点５教科（500点）＝635点満点で合否が決まります。

内申点は各中学校の定期テストの点数を基準に決まります。

内申点についてもっと知りたい方は以下の記事をお読みください。

【高校受験情報2026】中学校の内申点ってどう決まるの？【千葉県幕張本郷地区版】｜幕張本郷・幕張西・習志野地区の個別指導なら学習塾本塾

ってことは、学校の先生が作成する定期テストも「公教育としてふさわしい適切な資料」ということになります。

はたして本当にそうでしょうか？

学校の先生をやっていた時、定期テストの作り方を誰にも教わった覚えがありません。ただ教科主任に「平均点が65点くらいになるように作ってください。」と言われただけでした。

定期テストの問題点

学校の先生をやっていた時から、学校の定期テストで人生が決まる場合があるのに、こんな問題点だらけでいいの？と思っていました。

問題点１：問題作成に明確な基準がない

最近の定期テスト問題は知識、思考などの分類はありますが、明らかに授業で指導した内容から逸脱した問題があります。中学1年生の最初の定期テスト（国語）で県立入試レベルの作文の問題を出した先生もいました。数学の定期テストで平均点が30点台ということもあります。生徒の学力を読み切れていない面もあると思いますが、何を測るための定期テストなのかが明確ではないと思っています。

問題点２：学校の先生は問題の作成方法を教わっていない

最初に言いますが、学校の先生を責めているわけではありません。私の経験でもそうですが、学校の先生は問題の作成方法を学ぶ機会がありません。教育実習を経験していても指導がうまい先生とそうでない先生がいます。ちゃんと実習をしてもうまくできる人とそうでない人がいます。問題作成方法を何も教わっていないのに、子供の将来を決めるテストを作成させられるだけでかわいそうだと思います。

それに加えて、授業指導、保護者対応、部活動など、マルチタスクを任せすぎなのではないかと思っています。

これでは、学校の先生のなり手がいなくなるのも頷けます。

問題３：問題流出の危機管理がない

昔から「ここの問題試験に出るから覚えとけ～」は先生の定番文句でした。問題を作成する先生が自分のクラスにだけ問題をばらしているなんてよくある話。業者テストや入試でそんなことがあったら大問題になるでしょう。

なぜ定期テストは問題にならないのかいつも不思議です。

業者テストの方がよくできている

私見になりますが、業者テストってよくできていると思います。誰が作っているのかは知りませんが、受験する人の学力をしっかり数値化したいという意図を感じます。私は学校の先生と予備校の先生を同時にやっていたので、予備校の模試は、複数の人でチームを組んで問題作成に当たっていた一方で、学校のテストは学校の先生が個人が作って世に出てしまうのに違和感が当時からありました。

千葉県ではある中学校の定期テストに業者テストが使われています。

定期テストの問題点はなくなりますし、公平性の意味ではいいんじゃないかと思っていましたが、阿部俊子文科相がそれを知ったら、問題になってしまうんですかね。

そもそも定期テストの公平性ってなんでしょう？各学校で定期テスト作成者が違って、さらに平均点も全然違う。そして、各学校の点数調整もなし。

私は民間教育の１個人ですから、制度に関する議論はしないで、それに従う他はないですが、公教育のお偉いさんは考えてみてもいいんじゃないでしょうか？

せめて定期テストの問題を使い回さないで

その中で、学校の先生に私個人のお願いがあります。学校の先生も人間ですから、テスト作成がうまい人とそうでない人がいます。この問題でこの答えは無理があるだろう！って叫びたくなることもあります。しかし、そこは目を瞑ります。

一番やめてほしいのが「定期テストの問題の使い回し」です。

一部の学校の先生が定期テストの問題を使い回すおかげで、定期テストの過去問をやって（やらせて）点数を取ろうとする塾や生徒が多くいます。毎年定期テストの範囲もズレますし、昨年と同じ作成者ではないことが多いので、大体が無駄な努力で終わります。

しかし、学校の先生が問題作成をめんどくさがって同じ問題を出すことがあるため、保護者も「そちらの塾では定期テストの過去問をやらせないんですか？」って言われることがあります。

学習塾本塾では、定期テストの過去問は控えてあるので、要望があればやらせていますが、そういうことをいう生徒、保護者の成績が伸びている試しがありません。先生たちが、定期テストを予想してどの問題に取り組ませるか工夫することはありますが、学習塾本塾では、「過去問をやったから大丈夫」という不明瞭な安心感を提供したくないのです。

「本質的な学習」「本当の実力」をつけるための「本塾」なのですから。

学習塾本塾の方針はさておき、

私から学校の先生にお願いです。

個人的なお願いですが、教育をよくするために必要なお願いだと思っています。

面倒だと思いますが、「定期テストの問題の使い回し」はやめてください。

付け焼刃でその場の点数だけ取れればいいという生徒を育ててしまったら、困るのは回り回って学校の先生本人であるのですから。

そして、その場だけよければいいという思考では、「勉強ができる人」「将来活躍できる人」にはなれないと学んでほしいと思っています。

学校の先生たちも、自分の生徒に、「勉強ができる人」になってほしい。「将来活躍できる人」になってほしいって思っていますよね？

その場限りではなく、勉強ができ、将来活躍できる人財に育ってほしい方はご相談ください。